付属品が欠けていると中古車査定の思わぬマイナス評価に

 

車自体の状態がどんなに良くても、査定が悪くなる場合が有ります。それが付属品の欠品です。「オプションで付いてきたもの=付属品」という考え方もありますが、実は車本体にも付属品は有ります。

 

一番分かりやすいのが取扱説明書でしょう。さすがにこれはダッシュボード下のグローブボックスに車検証と一緒にしまっている方がほとんどだと思います。しかし小物の収納に困ってとりあえず家に置いておいたらそのまま忘れていた、というケースもあり得ます。

 

車検証無しで走行するのは法律違反ですが、使用方法をマスターしたら取扱説明書は車に置く必要は確かにありません。ですが、決して紛失しない様に注意しなくてはなりません。中古車を購入する立場からすれば、使い方を知る為には別途手に入れなくてはなりません。そんな車でもいいから欲しい、と考える人は少数派でしょう。

 

また点検整備記録簿も重要です。通常取扱説明書と一緒に付いてくる点検時のチェックシートですが、これを紛失したり未記入状態の場合には査定に大きく響きます。車がきちんとメンテナンスされているか確認が取れないからです。平成26年から点検整備記録の実施状況が車検証の備考欄に記載されるようになり、それ以降は特に厳密に確認されていますのでこれも注意点です。

 

他にも購入時に車載されている工具類やスペアタイヤの代わりの応急修理キット、発煙筒等も新車時と同じ様に付属しているのがベストです。これらのいずれかが無かった場合には業者が手配しなくてはならない分、査定が下がると考えましょう。

クリンネスは中古車査定では結構重視される

 

中古車だからキズやヘコミは付き物。だけど汚れだけは別です。経年劣化でどうしても色褪せやシミはできてしまうものですが、それでもできる限り綺麗な状態で査定を受けたいものです。

 

ですので、見積もってもらう事を決めたら、数か月前から愛車の掃除を心掛けるのが良いでしょう。特に内装の汚れはなかなか手が届きにくい分、外装に比べると時間がかかります。また自分では案外気が付きにくいものです。シート部分の汚れを中性洗剤等で落としたり、フロアマットの下に掃除機をかけたりして、何となく薄汚れている、という印象を査定の時に持たれないようにするのが肝心です。

 

ただしシミの種類によっては素人では消す事が難しい場合もあります。シートに穴が開いていたりした場合も同様です。そこはプロにお任せするとして、あまり隠し立てしない方が後々トラブルにもなりにくいのです。

 

またエアコンフィルターも早めに交換にする等して、車内の臭い対策を立てておきましょう。特に煙草の臭いは、査定に大きな評価を与えます。常時喫っていた場合、清掃用具が届かない所にも煙が入り込んでいます。そこが臭いの原因となるので完全に消し去る事は不可能ですが、内側の壁等を丁寧に拭っておくだけでもかなり軽減できます。

 

その他にも食べ物等、他の人が気になる臭いが付いている場合は、マイナス査定は避けられないでしょうが、時間をかければ少しずつ薄れていきます。早めに手を打っておいて、ダメージを最低限に抑えましょう。

改造車は買い手を選ぶ

 

ここでいう改造車はデザインを重視したエアロパーツ等の装備から更に踏み込んで、車内部に手を入れてある場合を指します。より速く、安定して車を走らせる為にチューニングに手を出している人も居るでしょう。

 

純正品はあくまで安全と長期運用を前提に設計されていますので、吸排気系やサスペンション周りを換えると確かに性能は上がります。ターボ搭載の様に「走り」に重きを置いている車の場合、メーカー側も有る程度そういったユーザを念頭に置いているのも確かです。

 

ただそれに合わせて制御系も積み替える必要があったり、また部品そのものが純正品よりも早く劣化するので交換する頻度が上がったりと、色々手間がかかる車になってしまっています。

 

この為、中古車査定では評価は両極端になります。そういう車を欲しがる層はありますので、そこで売れるものであれば手が入っている分プラスですが、標準仕様に戻さないと売れる見込みがなさそうなら、大きなマイナスになるでしょう。

 

ですので、改造車のオーナーであればこそ、より多くの業者に見積もってもらう必要が有ります。幅広く売れる所を探さねばならないからです。場合によっては専門の販売業者か、同じ趣味の人との直接取引が一番、という選択になるかも知れませんが、それでもどれぐらいの評価がもらえるのかは確かめたい所です。

 

手塩にかけたこだわりの車だからこそ、同好の人に乗ってもらいたいものです。愛車への最後の礼儀として、情報を集める手間も同じぐらいかけてあげましょう。

純正品以外のパーツは原則外した方が良い

お気に入りの車を好みにドレスアップしている人は多いでしょう。ちょっとしたマスコットを窓際に置いておく、というお手軽派から、スタイリッシュなエアロパーツで決めているという本格派まで、自分向けにカスタマイズをするのも車の楽しみです。

 

ただしそれは中古車査定にはあまり良い影響を与える場合は多くありません。あくまで万人向けでなくては、売り先が限られてしまうからです。ですのでメーカーオプションやディーラーオプションで装備したもので無い限り、パーツは元に戻しておくのが原則です。

 

ただフロントスポイラー等、交換時に純正品の置き場が家に無くて、整備工場に引き取ってもらっている場合もあると思います。その場合は現状で査定を受けるしかありません。しかしハンドルやサイドミラー位ならちょっとしたスペースに置いておき、いつでも元通りに出来る様にしておくのが良い査定をもらう為には賢い方法です。

 

ただしこれはあくまで原則論であって、要するに「売れる価値がある」車であれば良い訳です。だからサードパーティ製のパーツでも、人気があるものなら査定の対象にしてもらえます。特にオーディオ関係は車種を選ばず流用できる場合が多いですし、アンプやスピーカーが有名メーカーのものであればそれ自体が取引されるぐらいです。

 

ですので、まずは現状で査定を受け、交換してあるパーツで純正品に戻せるものはどれかを明確に伝えておけば、そこでマイナスの査定を受けなくても済むでしょう。

キズやヘコミは直した方がいい?

車に乗っていれば、何らかのキズは付いてしまうものです。自分で壁をこすったりしてしまう事もあるでしょうし、ドアの開閉で隣にぶつけたり、最悪当て逃げされてボディにヘコミができてしまっている、というのもありえない話ではありません。

 

その様なキズやヘコミは、残念ながら中古車査定ではマイナス要素です。板金塗装が必要なぐらいの大きさであれば、かなり減額される事は覚悟した方が良いでしょう。

 

それなら、予め修理してから査定してもらえば良いのか、と一概には言えません。直す料金の方が大抵高くついてしまう為です。ぱっと見て目につくキズやヘコミは、中古車業者が車を整備する際に、一緒に直してもらうものと割り切った方が良いかも知れません。

 

またボディをよく見て頂けば分かりますが、新車時に相当気合の入ったコーティングをしていない限り、細かなキズが沢山付いているはずです。飛んできた砂でこすれたりしてできたキズは、中古車の場合当たり前といえます。コンパウンドで研磨するという手も有りますが、どの程度のキズであれば目立たなくできるのか判断に困った場合、そのままにしておく方が良いでしょう。下手にキズを隠そうとしていると見られてしまっては、かえって損です。

 

付いてしまったキズやヘコミを整備工場等で既に直している場合には、それもきちんと申告しておいた方が良いでしょう。綺麗になっていればマイナスされませんし、また車を大事にしている事の証明になります。それで査定が甘くなる事を期待はできませんが、少なくとも見る目が余計に厳しくなる事は無いでしょう。

 

オプション装備(カーナビ・オーディオ等)も重要な中古車査定要素

新車であっても、標準装備では物足りない思いをした人は多いはず。特に最近ではカーナビやETC、安全運転をサポートするインテリジェント機能は必需品です。ですがそれらが付いていない車を選択して、別途装備する事もあるでしょう。これらオプション品も、中古車査定のチェック項目です。

 

オプションは大別すると3つあります。

 

まずメーカー純正のオプション。これは新車購入時に付属させる事がほとんどでしょう。

 

次にディーラーが取り扱うオプション。メーカーオプションが工場組立時に装備されるのに対し、車が引き渡されてからディーラーが独自に付けるものです。大抵はメーカーの純正品になります。大がかりな加工はできませんので、インテリア関係が大半を占めます。

 

最後に納車後、整備工場や自分で取り付けたオプションです。無論利用可能なものであれば自由に装備できます。

 

中古車査定の際には、どんなオプションを、どの段階で取り付けたのか整理しておく事が大事です。メーカーオプションやそれに準ずるディーラーオプションであれば、プラスになる事が多いからです。もちろん後から付けたものでもニーズが高いものであれば、査定の対象になります。ただしきちんと動作する事が大前提ですので、その点は事前に確認する必要が有るでしょう。

 

たとえ純正品であっても、型式が古いものやあまり人気が無い場合、見積で評価されない事もありえます。しかしそれを理由に減額を要求してくるようであれば、そことのお付き合いは避けた方が賢明です。折角付けた装備なのですから、積極的にアピールしましょう。

メンテナンスがしっかりしていれば中古車査定でも高評価

車は数万のパーツで構成されています。また高速走行時にかかる力やエンジン部分を中心とした高熱に耐える事が要求されるので、それに合わせた素材や形状が工夫されています。また搭乗者の生命を最大限に守る為の装置も取り入れられています。実は見た目以上に、自動車は繊細な道具なのです。


その為には定期的に交換しなくてはならない部品が必ずあります。一番分かりやすいのがタイヤです。

 

中古車査定の為にわざわざ新調する必要はありませんが、日頃からその状態をチェックする習慣を付けておくと良いでしょう。査定で実車を見てもらう際にタイヤがツルツルで悪い印象を持たれる、という失点も防げます。


またタンクの密閉性を高めるパッキン等のゴム類は確実に交換しなくてはなりません。不意の故障を防止するだけではなく、そういう所のメンテナンスがしっかりしていれば周辺の部品への影響も最小限となるので、結果として評価が上がる事になります。


他にも点火プラグ、バッテリー、オイルフィルター等エンジン回りの消耗品もきちんと交換されているかを確認しましょう。

 

これらは大抵車検の際に交換を奨められる場所です。何の支障も無く走っているのに何故交換しなくてはならないのか、と思われるかもしれません。それらが劣化しているとエンジンには余分な負担がかかってしまい、結果として車を傷める事につながります。それぞれの部品の寿命を知って、車検のタイミングで交換するのが査定でも高評価につながりやすくなるポイントです。


それ以外にも挙げればキリがありませんが、趣味として車をいじるならともかく、日用品として使うなら最低限これらに注意を払っていれば問題はないでしょう。